「孤食(こしょく)」という言葉を聞いたことはありますか?
「孤食」とは、家族がいる・いないに関わらず1人で食事を食べることを言います。

家族の形や生活スタイルの変化、食環境の多様化などにより、ひとりで食事をする人は増えていると言われています。

農林水産省が実施した「食育に関する意識調査報告書」(令和2年3月)では、「1日の全ての食事を一人で食べることがほとんど毎日ある」と答えた人は13.7%でした。
性別・年齢別で見ると、最も割合が高かったのは70歳以上の女性で27.6%、70歳以上の男性は15.1%でした。

また、厚生労働省の「2022年 国民生活基礎調査」では、65歳以上の世帯のうち、ひとり暮らしの世帯が大きな割合を占めていることも示されています。

このような背景から、孤食の増加には、ひとり暮らしの高齢者の増加も関係していると考えられます。

孤食が続くことで起こりやすいこと

ひとりで食事をする時間が続くと、食事の内容が偏りやすくなることがあります。

例えば、好きなものだけを食べたり、準備に手間がかからないものばかり選んだりすることで、必要な栄養が不足してしまう場合があります。

また、誰かと一緒に食べる楽しみが減ることで、食欲が落ちたり、食事の量や回数が減ったりすることもあります。

調査では、孤食が多い人ほど、食事を抜く回数が多い、野菜や果物の摂取が少ない、低体重の人が多いといった傾向も報告されています。

食事は、ただお腹を満たすためだけのものではありません。
心を落ち着かせ、人とのつながりを感じ、毎日の生活リズムを整える大切な時間でもあります。

大切にしたい「共食」の時間

このような健康にも悪影響をもたらす「孤食」を減らす対策として 求められているのが「共食」です。

農林水産省が発表している食育推進基本計画では、共食とは「みんなと一緒に食卓を囲んで共に食べること」とされています。

友人や家族、地域の人達とコミュニケーションがとれる楽しい共食は、栄養バランスのよい食事をとることと同じくらい大切です。

共食には、心と身体を支える力が!

農林水産省が公開している研究結果では、共食が多い人や孤食が少ない人には、次のような傾向があることが報告されています。

・ストレスが少ない
・自分を健康だと感じている
・うつ傾向が少ない
・多様な食品を食べている
・朝食の欠食が少ない
・生活リズムが整いやすい

農林水産省『「食育」ってどんないいことがあるの?』より

このようなことから、健康を保つためには「何を食べるか」だけでなく、「誰と、どのように食べるか」も大切だと考えられます。

誰かと一緒に食卓を囲むことで、自然と会話が生まれます。
「おいしいね」「今日は寒いね」「また来週も会いましょう」
そんな何気ないやりとりが、心の元気につながります。

地域の中に、共に食べる場を

家庭の中で共食の時間を持つことが難しい方もいます。

ひとりで食べる食事が悪いわけではありません。
けれど、孤食が続きすぎると、心や体の変化に気づきにくくなることがあります。

地域の中に、安心して集まり、食事をしながら会話ができる場所があること。
それは、高齢者の健康づくりやフレイル予防、孤立予防にもつながります。

共食の場づくりを広げていきます

私たちは、フレイル予防に大切な「栄養」「身体活動」「社会参加」の3つの視点を大切にしながら、地域の中で共食の場、シニアの居場所づくりを進めています。

それが『てとてカフェ』

食事をきっかけに人と会う。
会話を楽しむ。
体を動かす機会につながる。
また来たいと思える場所ができる。

そんな小さなつながりの積み重ねが、いつまでも自分らしく暮らす力になると考えています。

地域で、共食の場づくりを始めたいとお考えの方は、ぜひ一度ご相談ください。

一緒に食べる時間から、心と身体の元気を育てていきましょう。

この記事を書いた人


一般社団法人シニア元気プロジェクト

福井市を中心に、シニアの方が地域の中で人とつながり、自分らしく元気に暮らし続けるための活動を行っています。てとてカフェ、ウォーキング時間、交流イベントなどを通して、外出のきっかけづくりや孤立予防、フレイル予防につながる場づくりを進めています。代表のこだわりは、シニアの方のウェルビーイング(幸福の実感)!食事・会話・身体を動かす時間などを通して、安心して参加できる『地域の居場所』づくりを大切にしています。